とある日曜日の昼下がり、本を読んでいるつもりがいつの間にか微睡んでいました。目覚めると、三匹の犬たちが足許で寝息を立てています。安らかな光景に、なぜか江藤淳氏との対話を思い出していました。
「授業で学生に、『国家の責務とは何か』と聞いたら、誰も答えない。『国民の生命と財産を守ることだよ』といい、『生命と財産の安全を保障してもらうための対価としてわれわれは税金を払っている』ともいったら、『なんだそんなことか』という顔をする。これこそが国家の基本なのにね。」